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参加型小説 #31 チンモク |
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しゅう |
4/1 23:55 |
「あの〜…暇だったんでご飯作っておきました…」
完全に榧の外に出されていたなぎがキッチンから顔をだした。
腹も減ってたし丁度良い。
「あ、そういえば大事なこと言うの忘れてた!!」
あくが思い出したように言う。
「妖孤は人肉からしか栄養分を取れないよ。
別に食べてもいいけど満腹感になるだけでほぼ意味ないよ」
「え……つまり人を喰わないと生きていけないと…?」
黙って頷いてきた。
人を殺して生きていけと…?
「人間を殺すだけのために妖孤は生まれたって前も言ったよ」
「でも!元々人間だった奴が、人間なんて食えるわけない!!」
「だったらその辺での垂れ死んどけよ!!
生きてくには今はこれしか方法がないから探すんだろ!?」
言葉を失った。
言い返すことが出来ない。
よく考えてみればあくだって喰いたくて喰ってるんじゃない。
それしか方法がないんだ。
「なんか…ごめん」
「いや、こっちもごめん。強く言い過ぎた…」
それから長い沈黙が流れた。
そのあと俺は何をしたかは覚えていない。
気づけば布団の上で転がっていた。