序章 カナシミ

戦いの音が聞こえる。燃え広がる炎、降り続ける黒い雨。そして...真っ黒く焦げた人であっただろう塊。それでも戦いは終わっていなかった。誰かが泣き叫ぶ声。子を呼ぶ母。全てが狂乱の渦に巻き込まれ空も灰色に濁っている。
希望などない。あるのは絶望とこの戦いで死んでいった人々の悲しみ。戦って死ぬ者巻き込まれて死ぬ者。そしてその中で「ソレ」は生まれた。いうならば人々の憎悪のなどの負の感情の塊。
「ソレ」はさらに力を求め周りにある負の感情を取り込み始めた。
ただの人々に「ソレ」見えない。戦っているものにも、逃げ惑うものにも。だからこそ「ソレ」は人知れず力を手に入れていった。

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