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茨姫 #12話 食肉(1) |
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ごはんごパン |
2/7 15:54 |
温もりある灯
通りはごった返し
溢れる喧噪の間を通る。
手はしっかり握ったままで。
酒場から、煙突から、家の窓から
匂いが混ざり合い、鼻孔をくすぐり過ぎてゆく。
きゅるるる
俺じゃぁない、さっき一つだけ握り飯を食った。
「あのぉ…」
信じがたい、誠に信じがたい。
「お腹が空きました…」
俺の袖を摘み、少し赤らめた顔
控えめな主張を行う可憐な彼女が…
こんな食欲魔人だとは夢にも思っていなかった。
ドアを開ける
軽快なベルの音
暖かな空気と食欲をそそる匂い
「涎を垂らしながら品書きを見るなよ…」
お姫様としてあるまじき行為を平然と行う。
視線は巨大骨付き肉に固定され、動く気配がない。
お値段は、と…まぁ、こんなものか
呼び鈴を鳴らす。
「黒ビール一杯と、この…巨大骨付き肉を」
「あ、ブルーレアでお願いできますか?」
ブルーレアってほぼほぼ生じゃないのかよ…