CHIBI QUEST 3

小説
海月

3/9 22:54

的な何かをだらーっと書きます
文藝同好会用のネタだったけど速攻没ったのでまあ供養という事で




走る。走る。走る。銃声が鳴り響く中、俺は走る。脚がちぎれそうだ。口の中に血の味が広がる。もちろん、血も吐いているからそうなのだけれど。
海月

3/9 22:55

何故俺が走っているのかって?ははは、今それを聞くのかい?明らかにピンチだろうこの時に?まあ良いだろう。大して面白くもないだろうが、俺の半生を語ってやろう。
海月

3/9 22:57

俺はとある良家の養子だった。養父母の間に子が出来なかったから、らしい。実際は違うんだろうが、まあそこはいい。俺は幸せな生活を送らせてもらった。衣食住、全てが揃った素晴らしい生活。な、素晴らしいだろ?
海月

3/9 22:59

俺は養子だったが、まあ養父母から愛情も貰えた。数学と物理が得意な俺は好きな事に好きなだけ打ち込んだ。将来は数学教師になるんだ、と息巻いていた。
海月

3/9 23:1

だが、大学に入って論文を発表してから、世界はこれまでと少しづつ違って見えるようになった。貴族同士の薄っぺらいやり取り。ノブレス・オブリージュの精神なんてクソだ。だんだん社会の闇に触れた。俺は愚かだった。あまりにも優しい世界に生きていたという事を思い知った。
海月

3/9 23:4

そして、俺はある日恋をした。相手は平民の女の子。一目惚れだった。これまで薄情と養父母に苦笑されるこの俺が!恋をしてしまったのだ!
海月

3/9 23:7

だが、その恋は叶わないことも知っていた。身分の差があり過ぎる。俺は悩んだ。恨んだ。この世界では、魂に順序がつけられてしまっていた。でも、俺は諦められなかった。その子に、恋情を打ち明けてしまったのだ。
海月

3/9 23:8

その子は、俺が気持ちを伝えた瞬間、逃げ出した。そして、悩んで悩んで悩んだ末、彼女は身を川に投げ落とした。そう、君の国にもあるだろ?源氏物語だったか?ラストは二人の男に求愛された女が身投げをするんだろ?それと同じだ。俺は、身分のせいで失恋をした。
海月

3/9 23:11

そこからは早かった。元々、闇に生きるか数式を解き明かすか決めあぐねていたのだ。賽は投げられた。俺は簡単に悪へと突き進んだ。ある時には自ら罪人に手を下し、ある時は無実の人を撃った。
海月

3/9 23:13

すぐに警察に見つかって殺されると思っていたのに、俺の犯罪計画はどうやら素晴らしかったらしい。俺は全然逮捕される気配すら感じなかった。いつしか俺は、いや私は、「悪の皇帝」と呼ばれるに至っていた。
海月

3/9 23:15

いやはや、実に驚いた。悪の皇帝だなんて、かの高名なシャーロック・ホームズに出てくる大悪人と同じではないか。俺は嗤った。
海月

3/9 23:16

でもまあ、いつかはバレるもので。私は名探偵ではなく、警察に見つかったのだ。呆れることに、私の仲間が捕まった時吐いたらしい。1番ダサいバレ方だった。
海月

3/9 23:18

───という訳だ。どうだい、下らない半生だったろ?え、そんな事ない?そりゃありがたい。俺の人生に生きてた意味が少しでもあるってもんだ。
海月

3/9 23:22

かの探偵小説の大悪党と同じ名前で育ち、同じ異名で呼ばれたのだから、俺は滝に落ちることにしよう。では、諸君。さようなら。これでまた世界平和にひとつ近付いたってもんだ。
海月

3/9 23:23

「滝に堕ちる話」 完
海月

3/9 23:25

フワッとした感じの小説なんで生暖かい目で見てくれるくらいで丁度いいです()
海月

3/9 23:26

こういうただ、よく分からない小説(或いは男の独白みたいな?)を書きたかっただけの奴です、ハイ
海月

3/10 0:25

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