CHIBI QUEST 3

小説 彼のための世界#37

3/12 20:42

「誰だろう?」
どうやらカイトと莉央も気づいたようだ。近づいてみると、少女はびくっと体を揺らした。見たところ僕よりは年下だろうか。少女の服を見る。するとそれは僕にとって馴染みのあるものだった。
「もしかして…転生者?」
僕は尋ねる。少女は答えない。
「ねぇ、大丈夫?」
莉央が声をかける。やはり答えない。どこか怯えているようにも見える。
「どうする?」
カイトが言った途端、少女が走り出した。
「あっおい!」
すでに少女の姿はない。
「何だよ、全く…」
カイトが頭を掻く。
「これ、落としたのかな?」
莉央が地面から何かを拾った。カードのようなもので、それが学生証だと気づくのに時間はかからなかった。
「佐藤…めい?」
莉央が読み上げる。
「あの子の名前かな」
「ここも安全とは言えなくなったからな。心配だ」
カイトは少女が去った方向を見つめ、そう洩らした。




名字は適当につけました

3/12 20:42

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