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小説 彼のための世界#37、5 |
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鯨 |
3/12 20:55 |
「次の町までどのくらいかかりますか?」
ヲタクは前を歩くフランに尋ねた。
「この調子だと、夜中には着きそう。でも魔物が現れるから、なんとも言えないわ」
「そうですか…。Euclidさん、本当に竜を倒すんですか?」
ヲタクは昨日出会った少年達のことを思い出す。
「あの竜自体はそれほど強くない。見つけるのは面倒だが…」
EuclidはYESともNOともつかない返事をする。
「さて、ここで少し休憩する。後列にも伝えてくれ」
Euclidが指示を出す。魔王討伐の旅に出ているのは、Euclid、フラン、ヲタク、そして50数名の兵士達だ。ヲタクは手を振りながら指示を伝えた。兵士達が腰を降ろす。ヲタクも水筒を取り出した。
襲撃を受けたのはその直後だった。