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[ge2 ss ※百合注意] |
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入江 |
12/2 19:41 |
«君の全てを知りたい»
夜の帳がおり、血と硝煙の臭いが漂う戦場を黒いコート翻し、蝶が舞うかのようにアラガミを翻弄する君は、まさに百戦錬磨のそれ。我らブラッドの隊長だ。
「討伐対象無力化完了。」
そう告げるなり、君は振り返って、こう言った。
「今日の月は綺麗だ。 せっかくだし寄り道をしよう」
君の突拍子もない提案にクスリと笑ってしまう。私は少し、間を置いて答える。
「...そうですね。 せっかくですし、お月見と洒落こみましょう」
断る理由も無し。私は快く承諾した。オペレーターさんに少し帰りが遅くなることを告げ、帰路を歩む。
「此方にちょうどいい月見スポットがあるんだ。 私のお気に入りの場所だよ」
そう言って君は私の手をとり、暗い夜道を進んでいく。アラガミによって破壊された市街地。光といえば月光しかなく、視界は悪い。しかし、君の顔は良く見える。月明かりに照らされた君の顔は傷だらけで、左目には眼帯をしている。