|
|
[ge2 ss※百合注意]02 |
|
入江 |
12/2 20:11 |
君の左目は、私が貰ったようなものなのだ。へまをやらかした私を助けるために負った傷。私はあの時、君の腕と目を貰った。他の誰でもない、私が。
私は、誓った。私が君の目となり、腕となることを。君と共にあろうと。
「着いたよ、ここだ」
ここは、建物屋上...。なのだろうか。草木は繁茂し、コンクリートの部分が見えない。そして中央にはポツン、と椅子とテーブルが置いてある。
「ここが?」
訊ねると、君はゆっくりと歩きだし椅子に座ると、私にも座るように促す。
「そうだよ。休暇の日はよく、来てる。星空が綺麗〜に見えるんだ」
空を見上げる君。
「...では、なぜ私をここに? 秘密は知っている人が少ない方がいいと思います」
一瞬きょとんとした君は、堪えられない、という感じで笑いだした。
「はははw 秘密ってのは共有すると、一体感みたいなのがでるんだよ?」
「...そうですか」
嬉しいような、嬉しくないような、複雑な気分だ。なんと返したら良いのか分からない...。
「君は...その...」
今まで気になっていたが、聞けずにいたことをチャンスだと思い、勇気を出して聞いてみることにした。