ー白陣営ー
何故自分がここに居るか分からない。名前、相棒の使い方…それらは全て理解している。ただ、真っ白な世界に一人、一部の記憶を抜き取られて放置去れてるかのように思えて仕方ない。濃く白い霧の中に手を伸ばしてみる。予想通り手が霧に覆われて見えやしない。その時、頭の中に様々な光景が流れこんできた。絶える事なく。
「うっ………。」
頭が痛い。頭を抱え目蓋を閉じて座りこんだ。しばらくして痛みが消えたのを喜ぶ暇もなく、自分が何故ここにいて、何をするのかを知らされる。誰かが言った訳ではないが、分かる。
「そっか…僕はあの黒いやつらを殺らなくちゃいけないんだ。」
相棒の長刀を抱えて霧の中を走り抜ける。そこには数名の男女が居た。僕の登場を待っていたかのように。こいつらが僕の仲間…。そう思うと、頼もしくなった。
「僕の名前はゆうと!!お前らのリーダーだっ。そして相棒はこの長刀・メフィーだっ。」
自分がどうして戦わなくてはいけないのか、そんな事考えても、分かる気がしない。僕は、僕達はとにかく進まなくちゃいけない。そう思った。

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