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[ge2 ss] お部屋の掃除は苦手です |
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入江 |
12/3 10:51 |
白銀に輝く氷雪の上で金色の髪を靡かせ、アラガミをほふる少女はアリサ。いまにも壊れてしまいそうなほど華奢な体で神機を振るい、アラガミの肉を削いでゆく。
「ふぅ...やっと終わりましたね、早く帰投しないと」
そう言うとさっさと帰り支度を済ませ、足早に去ろうとする。
「また仕事? こんを詰めすぎるとまた倒れるよ?」
私は彼女の背中を呼び止めた。アリサは任務中に、過労で体調不良を起こしたことがある。たまには休養も必要だ。
「あ、いえいえ! お仕事ではないんです!」
身ぶり手振りで誤解を解こうとする。
「この前、部屋にサツキちゃんを呼んだんですけど、ほら、私の部屋って“少し”散らかってるじゃないですか?」
初耳なのだけど。しかも、なぜ少しを強調したのだろうか...。
「そ·し·た·ら! サツキちゃんが、『アリサさんって私の倍生きているぶん、お部屋も倍散らかってるんですね』って言ったんですよ! しかも微笑んで!」
あのサツキちゃんが...。
「あー...そうなんだ、いや、呼び止めて悪かった」