僕は、同じクラスの男子メンバー6人で、心霊スポットに行くことにした。その中に一人だけ霊感があり、行きたくないとずっと言っている人がいたが僕は、
「まあ大丈夫だろう。本当に幽霊が出るわけでもあるまいし。」
と、心の中で思っていた。
当日の夜になり、少しゾクゾクしながら友達の車に乗って、そこに向かった。随分と山奥だった。向かっている途中、メンバーの内の一人が、飲み物を車の床にこぼしてしまった。僕は、たまたま持ってきたぞうきんで拭いた。
そして、
「よし。もうすぐ着くぞ。」と、僕の隣に座っている友達が、地図を見ながら言おうとしていた次の瞬間だった。
霊感が強く、行きたくないと言っていた一人の友達が、
「ねえ!!帰ろう!!今すぐ帰ろう!!」
と、必至に叫んでいた。何かを見たのか、僕がその人を落ち着かせようとしたその時、
「後ろ!!」と声がした。僕はその声に慌てて後ろを向いた。
そこには、霊の手形のような物が、あちらこちらに付いていた。車は猛スピードで山を下った。その間に僕は、さっきのぞうきんを取り出し、窓を拭いた。霊の手形は、綺麗に拭き取れた。.................