CHIBI QUEST 3

小説 彼のための世界#47

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女は目を開いた。自分がおかれている状況をまだ理解できていないようだ。ゆっくりと辺りを見渡している。
「目が覚めたか?」
うちゃこんが言う。女はうちゃこんの顔を見ると、目を見開き体を動かそうとした。しかし縛られているためうまく動けない。
「で、誰だお前」
うちゃこんが女を睨む。女は無言のままだ。
「だんまりか…まぁいい。ここには拷問のスペシャリストがいるからな」
そう言ってうちゃこんはEuclidを指差した。
「何で俺なんだ」
「聞いたぞ。捕らえられた仲間思いの盗賊が、お前のところに行って少しして、拠点の場所を吐いたっていう話。しかもそいつの手には爪が無かったとか…」
僕はその光景を思い浮かべる。その盗賊が気の毒に思えた。
「その程度でスペシャリストとはな」
Euclidがポツリと洩らしたが、聞かなかったことにする。





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