ー白陣営ー
「浮いてる…のか?」
思わず口から声がこぼれ出た。何故なら黒い球体がぷっかり、と宙に浮いてたからだ。さっきの騒音の正体だろう。
「警戒!敵の奇襲がくるかもだ!」
あれが何か分からない限り警戒は必須。その時ぴぃやのあれが何かを知らせる声が聞こえた。
「周辺一帯をスキャン完了。敵の反応確認出来ず。あれは…時空の歪み?あの球体だけが違う時間と言うか…でも敵ではないよ。」
ぴぃやにこんな力があるとは。とりあえず敵じゃないと分かったので全員待機、と言おうとした時だった。僕の横を黒い影がすり抜けて行った。そして、その影は両手に大小の刀を持っていた。
「おい、あーさん!!待機だっ!行くな!」
だが、当然あーさんは聞く耳を持たず、時空の歪みだかなんだがに向かって駆けていった。
「仕方ない、僕が行くから皆は…」
待機してろ、そう言おうとした時また黒い影が駆けていった。今度は杖と剣をダブルで持った男子だ。
「アイツだけに楽しませるかよ!そんなのこの俺が許さねぇ!」
こうなったら全員で行くしかない。本当に困った奴らだ。
「皆!あーさんとふりすくに続いて行くぞ!」