ー白陣営ー
さっきから足音、服が擦れる音、武器が揺れる音、息の音しか聴こえない。これから戦闘が始まるかもしれないので普通に考えれば当たり前の事だが、何か視線を感じる。
「ねぇリーダーさん」
ポニーテールを揺らしながら走る自称ただの剣士、もみじが口を開いた。半場ギクリとしながらおう、と答える。
「リーダーさんって足遅いね…」
…痛い所をつつかれた。やはりそうだったのか、僕を見てた理由は。分かってた。だが僕には理由があってだな、そう口を開こうとした矢先、踊り子のぴぃやが言った。因みに今ぴぃやは敵の行動を見るために目を閉じて蓮華におぶさがっている。
「私はおんぶしてもらってるから言える立場じゃないけど…何でもない。」
「僕が!遅いのは運動神経の問題じゃなくって、コイツのせいだ!!」
僕はそう言い、ジャキッと長刀メフィーを掲げる。
「そのせいか。僕の刀も1キロ位あるもん。ゆうとの長いし、僕の倍くらいかな?」
流石侍。分かっている。
「そうだっ!メフィーは約2キロ位ある。それをもって走るのは疲れる…」