ー黒陣営ー
「んじゃ…俺は前突っ込んでくぜ。良いよな?」
nonemuが軽々と俺と同じ位の長さの大剣を持ち上げながら言う。
「ああ…他の皆も自由に動いて良いぜ。作戦を考える時間もなさそうだ。な?」
「はい。なんかもう肉眼で見えそうな位に近づいて来てますよ…」
のあが端末的な物を操作しながら俺に応える。因みに白と黒の拠点は向き合っているため、その間にある黒い物体に白陣営が向かうなら俺ら黒の拠点に近づく事になるのだ。だから、迎え撃つか、こちらから仕掛けるかにしぼられる。俺が装備一式を持って立ち上がった時、るあが声をかけてきた。
「ゆうしん、あたいここで第三魔方陣展開してバーンってやりたい。」
「…よく分からないが、ここにいるんだな?」
「うん。でさ、お願いがあるんだけど…。」
るあが真面目な顔になって言った。
「あたいが魔力を高めてる間護ってくれない?お願い…」
「それなら私がついでに護りましょう。」
俺が混乱して返答出来なくなっている変わりにのあが言った。
またも混乱している俺を他所に、るあが嬉しそうな声を上げて叫んだ。
「第三級大型魔方陣展開っ!!」