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白の剣と黒き剣 14話 |
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燐 |
10/13 17:23 |
ーnonemu・黒ー
「……はぁ」
大剣を背負いながら敵に向かって走る。俺はとんでもない弱点を持っているようだった。右目が見えない、左目の視力が低い…。それは大剣を使う近接系の俺にとってはキツかった。死角が広い為、万が一に右側に入り込まれれば……背筋に寒気がはしる。…誤魔化すように髪の毛に埋もれていたゴーグルを自分の目に持っていく。多分俺の大剣の威力から目を守るためだろう。
「おーい!nonemuーっ!」
「…ん?」
俺を呼ぶ声がした。周囲を見渡すが人はいない。代わりに…大きな影があった。目線を空へと向ける。そこには笑顔のはるるが竜に乗っていた。たんたんもいるようだ。竜が俺の近くに下り立つ。
「よっ!一緒に戦うよ?」
ニコニコしながらはるるが言う。俺は少し微笑みながらありがとう、と言った。
「…一応僕もね。ほら行こうよー乗って」
たんたんがあたかも自分の竜のように言う。
「ああ」