「撤収しろ!!今日はもう無理だ!!」
ヅラのそんな声が響く。
結局、戦は負けてしまった。
前半は良い調子じゃったが、後半になるとみんなも疲れてきよったのか動きが鈍くなり、怪我人や死者が増えるだけじゃた。
わしは、動かなくなった仲間を背負い、基地へと戻っていった。
*…*…*…*…
「よし…これで大丈夫じゃろう。」
わしは地面をポンポンと軽くはたいた。
ここは墓場じゃ。
まぁ墓場ち言うても大したものではなく、ただ穴に死んだ仲間を入れて土を被せ、その上にそいつが使っとった刀を刺してあるだけじゃが。
わしは地面に刺さりゆう刀を見渡す。
無数の刀の下には守れなかった仲間が眠っているんじゃ。
頬を暖かい何かが流れる。
「………!」
そっと自分の頬に触れてみる。
そう、自分の目からはなぜか涙が出ていた。