ーああああ・白ー
「っ………」
前方に微かな気配を感じて、走る足を止める。ワイを追ってきたふりすくも走るのをやめ、歩いて隣まできた。
「なんか来るね、三人位…ん?どうしたの?」
ふりすくが笑みを深めながら言う。
「何故か…懐かしいと思ったんだ。一瞬だが…何でだろ?」
その言葉がワイの口から出たことに気付くのは時間を要した。
「は?え?…知り合い?てか、記憶あるの?」
ふりすくが頭に疑問符を浮かべながら言う。『記憶あるの?』その言葉が妙に頭に残った。ふりすくもそれに気付いたように目を丸くして、頭を押さえた。
「お、俺何て言ったの?いや…記憶ってなんだよ…。俺は前なにか…あ?」
「…ワイも気になるけど、とりあえず後で良いだろ?」
「…おう、そうだな!」
ふりすくはさっきまでの深刻そうな顔はどこへやら明るい顔になった。
「おっ…そう言えば…はい、プレゼント」
そしてふりすくはプレゼントと称し、杖をかかげて支援魔法をかけてくれた。