嫌な夢を見た。
死んだ親友と会った。自宅の寝室で、少し前と同じように笑いながら会話した。
それだけなら幸せな夢だったが、現実で目の当たりにしなかった死ぬ瞬間を見てしまった。
だんだん会話の声色が弱くなっていき、涙がこぼれ始めた。
次の瞬間、枕を手に取り、顔を塞いだ。
必死に引き剥がそうとするが、枕を奪った頃には姿勢を維持する力すらも無くなっていた。
引き剥がした...いや、彼の手から離れた枕は、冷たい涙で濡れていた。
...そこで目が覚めた。ソファに座って少女を見守るうちに、眠りについていたようだ。
この悪夢は、目が覚めた後でも夢のようには感じなかった。あの瞬間の記憶は、どうにも現実と切り離せなかった。
涙に濡れた枕を触った感触すらも覚えている。胸の奥で心臓が握りつぶされそうになった感覚も、色味が消えたように感じたあの景色も。
クッションを手に取り、眺める。視界が歪み、まだ熱を帯びた涙で濡れる。