CHIBI QUEST 3

小説 彼のための世界#61

6/13 17:45

めいは窓からさしこむ月明かりに手をかざしていた。コトコトと音をたてながら小部屋が揺れる。実は、ここは馬車の中だった。外には茶色い馬が繋がれており、めいは鯨にその馬の名前を尋ねたが、「そんなものはない」と言われた。そして馬を操っているのは、ゴルという男だった。彼は全身、真っ黒な鎧に覆われており、とても大柄だ。喋ることはなく、ただ呻き声を発している。
「こいつは元々優秀な戦士だったんだ。でも、死んじゃってね。あまりにも惜しかったから、死体だけいただいたんだよ」
鯨からの説明を受けて、めいは冗談だと思ったが、確かにゴルからは生気のようなものを感じられず、鯨の言ったことは本当のことなのかもしれないと思い始めた。
こんな得体の知れない連中と行動を共にして良いのか、めいは悩む。しかし他にあてがないのも事実、そして鯨の言う「素質」について確かめたくもなっていた。




改行すればよかったかな…

6/13 17:46

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