主人公の他にも、強い個性を持つキャラクターが沢山いる。姉の姿を無意識に追い続けるご令嬢。人との付き合い方に違和感を持つ処女ビッチ。偽りの仮面、作品中の言葉では「強化外骨格」を持つ学校OBやあざとい後輩。それぞれがそれぞれの理念や世界、解釈で行動する様や、それが複雑に絡み合い起きてしまう排他的な人間の姿は、何か現実を思わせる描写が数多く含まれている。それだけに変われない人間、変わらない人間、変わっていく人間、十人十色な成長の過程がそこにあった。この作品の一話には、こんな問答がある。
「変わるなんて結局、現状からの逃げだろうが、本当に逃げてないなら今の自分や過去の自分を肯定してやれよ」
「・・・それじゃあ悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない」(一部要点抜粋)
彼ら彼女らの醜さや壮大さが共存する信念の一部がこのやり取りから感じられるのではないだろうか。
　しかし、この作品ではあの問答のような真っ直ぐなぶつかり合いはそれほど見られない。これがこの作品の面白いところの一つであるのだが

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