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読者参加型小説、理想絵図 第31話 |
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麗音 |
10/10 21:30 |
第三十一話
「じゃあ、僕は〈何も変わらない日常〉を送ります」
僕はもう自由なのだ。〈心を何者にもしばられない生活〉が送りたい。
僕はいつも何かに縛られていた。それは多分物心ついた時からだ。
先生の家に居候するまでは 檻と孤独に。
先生の家に居候して、主従関係があるうちは 鎖と不安に。
そんな生活は嫌だ。 僕はもう何物にも縛られたくない。
したい事をしたい。それで僕が考えた結果こうなっただけだ。余計なことは考えなくていい。考えたくない。ただ、先生と一緒にいたい。それだけなのだ。
「え?そんなんでいいの?」
「はい、普通に先生と本当の家族みたいに暮らしたいです。いや、お願いします、送らせてください。」
「大…歓迎…だよ?」
「え?僕は先生を殺そうとした身です…どうして…。」
「いや、私だってあんな残虐なことしたから…ごめん…」
僕はふいにあるゲームの言葉を思い出した。
「先生、こういうときには〈ごめんなさい〉じゃなくて〈ありがとう〉ですよ。」
「分かった…ありがとう…」
「先生、泣いてる…」
「麗音もだよ…」