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読者参加型小説、理想絵図 第33話 |
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麗音 |
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第三十三話
裁判では正当防衛で結構早めに刑務所を出られた。
久しぶりに見る空が綺麗だった。
「ただいま、せんせ…」
言いかけて、気づく。そうだ、今日から先生のいない日常が始まるんだ。
一人で起き、一人でご飯を作り、一人で会社に通勤。
帰って来ても誰も「おかえり」なんて言ってくれないんだ。
そんなことを考えると涙があふれてきてしまう。
ああ、だめだ。こんなことではいけない。僕は頭を冷やそうと思い、ベランダに出る。
「先生?これから僕はどうして行けばいいのですか?」
…
答えてくれる人などいない。
「先生に会いたいです。どうしたらいいですか?」
…!
そうだ!
僕から会いに行けばいいんだ‼!この世界から消えればいいんだ‼!
僕はベランダの柵をのぼり…
飛び降りた。
もうこの世に未練などない。
「先生に会いたい」
それだけだった。