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読者参加型小説、理想絵図 エンディング5 |
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麗音 |
11/17 9:59 |
〜ソノ後ノ記憶・エンディング〜
「麗音」
ふいに、聞きなれた声が聞こえる。
高くなく、かといって低くもない、心地いい声。
華代先生⁉
さっきの声が空耳だったとしてもかまわない。
僕は必死に先生を探した。
何十分、何時間たったのだろう、華代先生は全然見つからない。
僕が華代先生探しをあきらめかけたその時だった。
先生の靴とメガネが流れていた。
その先に
先生はいた。
「先生‼」
僕は先生を抱きしめようとした。
先生に触れたかった。
しかし、僕は先生を抱きしめる事が出来なかった。
まず、僕には手が溶け始めていて抱きしめようとした瞬間手が原型を保てなくなっていた。
そして華代先生をよく見ると体が無かった。服と頭だけだった。
「先生…」
「麗音、ここは“死者の世界”死んだら泡になるんだ。」
そんな声が聞こえた気がした。
「先生…」
もうこんな腕じゃ僕は先生を抱きしめる事が出来ない。
先生に好きと伝えられない。
どの道を行っても本当はみんなが幸せになれる道なんて無かった。