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[連載小説]ヒット。(25) |
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入江 |
12/14 19:48 |
私がメトロ·スラムに訪れると、毎回荒れに荒れる。しかも何度やっても懲りずに襲ってくるのだ。ただ弾薬の仕入れと装甲の販売に来ているだけなのに、だ。ここまでくると体質ではないかとすら思う。
「ったく...」
店内に戻ると多少視線を集めたが、いつもの事なので慣れている。
ミライの隣に座り、冷めきったコーヒーを飲んだ。相変わらず不味い。しかしクセになる。
「あの人達は...? 殺したんですか?」
いかにもおしとやかそうなミライだ。手荒な事はあまり好みではないのだろう。しかし、私が人を簡単に殺すような人間に見られている、というのは心外だ。
「私は簡単に殺人はしないよ。 ただ必要な時に必要な事をするだけ。そんでもってあいつらはただのチンピラだ。 どの時代にもいるバカどもだ。」
言い過ぎた、と思った。ミライは黙りこんで、食事にも手をつけていない。しかし、後の悔い先に立たず。なにで補うかが重要だと私は思っている。