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[連載小説]ヒット。(29) |
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入江 |
12/17 20:16 |
「モスクワが墜ちた!? 冗談か虚言でしょ。 この国で最も守備が厳しい場所で、それも全国力と軍事が投じられてるんだ。そんなこと...」
いつもは冷静沈着なリーナだが、この時ばかりはそうはいかなかった。国の首都が陥落したのだ。まさに一大事だ。
「落ち着いて。信憑性が低いんだってば。 多少は生き残りがいたらしいけど、軍は壊滅的被害をうけて現在の活動維持能力は無いに等しい。民間人はほとんどが死亡...。モスクワは地獄絵図らしいわ」
少しずつ冷静な思考を取り戻してきた。
「まぁ、この国はこんなんでも、ここと同じように首都のみを生かして、他を捨てた事で生き残っている国が在るのはカチューシャも知ってるんでしょ?」
頷く。
「生き残った先進国は各々が独自の方法で生き抜いているわ。 例えばヨーロッパ諸国のイタリア、ドイツ、イギリス、フランスは互いに協力することで今でも健在っていうのは有名よね。 で、ヨーロッパ諸国はお隣さんだけど、海の向こう側にもあるのよ? 日本とアメリカよ」