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[連載小説]ヒット。(31) |
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入江 |
12/17 21:2 |
「さてさて、その日本とアメリカだけど、中でも日本は術式を開発した国。技術力はアメリカを頭一つ抜いているわ。 それにブラークの討伐数は世界一、って話を聞いたことがあるくらいだし。 で、そのことなんだけど最近動きがあってね? なんでも新しい術式が開発されたらしくて、その術式を使える術式使いを外国に派兵して、全世界で協力し、ブラークを減らしていこー! 的な活動をしているのだけど、それがどうも怪しくてねぇ...」
と、アリスはそこで口籠った。
「どうしたの? 日本の何が怪しい?」
う〜ん、と唸って、アリスは口を開いた。
「日本は元々術式の事を公表しようとしてなかったのよ。 今世界中に溢れているのは大抵が術式開発初期のもの。流出経路は不明。 カチューシャに教えたのは数年前のもので、他国の術式使いが使っているものよりも格が一つ上なのだけど、今の日本のものよりは劣るわ。」
「話がそれたわね」とアリス自身が軌道修正を図る。
「で、初期術式流出から、日本は術式の開発、保全をトップシークレットに設定。 それは同盟国のアメリカすら知らないブラックボックスよ」