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[連載小説]ヒット。(32) |
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入江 |
12/18 22:7 |
リーナとアリスの会話は難しく、全ては理解出来なかったが、要領は掴めた。今どんな状況で、此れから何をするかは分かった。
「行くんですか?」
銃器類のチェックをしていたリーナは鈍器代わりに振るっていたレミントンM870の動作確認をしながら、口だけを動かした。
「あぁ、行くんよ。 ちょっとしたピクニックみたいなもんさ」
本気でいっているのだろうか? そうならば、リーナの頭のネジは一本抜けているか、緩んでいるに違いない。話の流れでは、モスクワには日本の術式使いの部隊ないし個人が潜伏していることになる。つまり、モスクワは今、敵地ということだ。そんなところに女子供3人で乗り込むのはいささか馬鹿げている。
「モスクワには日本の術式使いの部隊がいるかも知れないんですよね?そんなところに私達だけで行くんですか?」
私の話を聴いていたアリスがクスリと笑った。
「そっちの方がシゲキ的で面白そうじゃない?」
今さらではあるが、アリスもそうとう狂っている。謂わば戦闘狂。
私達はメトロ·スラムをでて、乗ってきた車に乗り込み、モスクワを目指した。