ザザザ・・・・―――ザザ・・・・―――
波の音が、私の耳を擽る。
海の水平線から、神々しく太陽が日の出していた。
ゆっくりと、私の顔に朝日が当たる。
風が吹いた。白いワンピースが揺れた。髪もかさかさ揺れた。
車椅子生活を始めて2日目。
とんとん拍子で、私は実家から遠い遠い田舎の病院に送られた。
私は、発熱した翌日に足が動かなくなった。
神経が麻痺だとかなんだとか説明されたけど、全然頭に入ってこなかった。
結果は原因不明。
思考はショートしてしまったかもしれない。すぐに何かと見つめてはぼーっとすうようになってしまった。
たった四日で。
「・・・・・ゆっくり、そろそろ時間よ」
「・・・・・・うん」
お母さんに促され、まだ慣れない手付きで車椅子を動かし、前進させる。
今日から、私はここで治療を始めるのだ。
――――あの2人に、何も伝えられずに。