CHIBI QUEST 3

手紙#12
mikazu☆

5/4 15:4

海の音が、車椅子の邪音をかき消してくれた。
海の近くに、コンクリで出来た堤防がある。
その上に車椅子を停車させ、しばらく海を眺める。
真下は太陽で影をゆらゆらさせている海底が見えた。
ここらは少し浅いようで、はっきりくっきり底が確認できる。
岩の頭が波の隙間から見える。
ここから落ちたら、“リセット”出来るのだろうか。


―――もう、無理でしょう。


先生の声が脳裏に轟いた。
部屋で寝ていると、扉の外からお母さんに説明している声が聞こえた。
盗み聞きとかではない。
ただ単に聞こえてしまっただけだ。
自分にそう言い聞かせ、瞼をぎゅっと閉じる。
けれど、耳には聞きたくもないことが入ってくる。


歩けない
     走れない




もう、元には戻らない





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