「わぁ・・・・・・・・・・・!!」
トンネルを抜けた先は、広い海だった。
太陽で水平線はボヤけ、海と空の境界線が消え、さも一体化したように錯覚した。
その景色に見とれていると、電車が停車した。
「さ、着いたよ。降りようか」
既に立ち上がり、開いた扉の前でmasa1014が言った。
「うん」
身を翻し、座席から降りて2人一緒に電車から降りる。
初夏の風が靡いた。
「・・・・・あ」
駅は最初に乗ったところと似ていた。
でも、近くに海があるだけで違う世界に迷い込んだように思えた。
その近くに、白い花があった。
「綺麗・・・・」
「これはね、アベリアっていうんだよ」
花に見とれていたゆっくりにmasa1014は気づくと、花の名前を教えてあげた。
「へぇ・・・・。
小さくて可愛い・・・・」
その時、胸の中で何かが弾けた。
何かが割れる音。振動。
何故だか苦しい。
「・・・・・・?」