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[連載小説]ヒット。(36.2)【前35訂正、36】 |
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入江 |
12/20 23:36 |
背中を強打したせいで息が出来ず、苦しんでいたシライシはマウントポジション__馬乗りの状態__をとられた。(殺される)そう思った。しかし、フェアリーにはルールがあった。たったひとつの鋼の掟だ。“女子供は殺さない”これはフェアリー自身が設けたものであり、唯一の誇りだった。犯した事は無いし、これからも犯すつもりは無かった。
シライシ必死の抵抗によって、一度離れたフェアリーだったが、プロレスで使うような、容赦の無い踏みつけを腹部に一撃。口の端から血の滴を垂らして、大人しくなったが、再びマウントポジションをとり、シライシの今にも折れてしまいそうなか細い首に、手を這わせる。
人間を殺す方法も殺さない方法も熟知していたフェアリーは、適度な力で、ゆっくりと、徐々に首を絞めていった。ものの数秒でシライシの視界が赤黒く染まり、おちた。