「本当にここなんですか? 何者かと戦闘した痕跡も無ければブラークの反応もありません。 情報に誤りがあったのではないですか?」
ムラカミの質問に対し、Bチームのリーダーであり、分隊の副分隊長を勤めるイワグロが答えた。
「しかしなぁ、上の情報に誤りがあるとは考え難い。 指示があるまで続行だ」
撤退の判断を下すのは分隊長だ。イワグロはBチームの指揮をとるだけに過ぎない。状況報告の通信を分隊長に入れておく。
「分隊長、イワグロです。現在、割り当てられた区画を捜索中ですが、第2○2分隊の痕跡は一切発見されていません。 Aチームはどうですか?」
『こっちも収穫は無しだ。 家の中も見てみるべきか…。 作戦変更だ。ペアを組み、一軒一軒クリアリングしろ。カティングパイを有効活用しろ。』
「了解」と告げて通信を切った。
「作戦変更っ、ペアで行動し、一軒ずつのクリアリングしろ。なるべく速やかに行動し、時間はかけるな。オレとタケダ、ムラカミとナカイだ。敵が潜んでいる状況を想定し、油断するな」