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「・・・・・・・まぁ、そう気を落とすなよ」
「・・・・・・・・あ?」
団席で座っていると、赤団の団長であるナオヤが話しかけてきた。
「・・・・・別に。気なんて落として・・・・・・ないし・・・・・・」
語尾が薄くなる。完全に落ち込んでる奴の言い方だ。
そんなくだらないことに後悔しながら、ナオヤの目を逸らす。
「お前、閉会式上の空だったぞ。青団団長だろ。しっかりしろよ!」
「・・・・・・・・煩せえ」
「あ?」
「お前には・・・っ、関係無いだろっ!!」
青色の鉢巻をを掴んで、テントから飛び出す。
さっき先生が言っていた所定の片付けの場所まで直行する。
後ろでは、副団長のユミの声が聞こえた。
けれど、振り返らずに突き進んだ。
グラウンドには保護者の姿も見えず、ほとんど生徒しかいなかった。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・」
息切れがする。やはり1日中声を出していると、体力も持っていかれるのだろうか。
ぼけーっと考えていると、先生から注意された。
「マサ、珍しいな。注意されるなんて」
「・・・・・・あ、あぁ」