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[連載小説]ヒット。(#41) |
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入江 |
12/30 18:59 |
開始まで10秒を切った。サトウはムラカミをおぶり、イワグロの合図を待っている。
「今だっ!! 走れ!」
イワグロの合図で走り出すサトウ、そして耳をつんざくほどの銃声。弾幕と銃声でフェアリーの気を引いた。
____はずだった。しかし、フェアリーは私達に目もくれず、ナカイ達の事を狙撃した。大口径の弾丸はムラカミの体を容易く貫通し、ナカイの右胸に大穴を空けた。
「!?」
カンザキは予想外の展開に戸惑ったが、すぐに冷静に思考した。フェアリーは私達の攻撃に、反撃するどころか、一切合切躊躇なく、サトウ達を撃った。
____それはなぜか?
カンザキは自問に自答を重ね、答えを導き出す。
____フェアリーは最初からサトウ達を狙っていた?
「っ…! くそ…っ!!」
見落としていた! なぜきずかなかったのか!? “フェアリーはシライシから無線機を奪った可能性があると言うことを!”