気が付くと、幽霊に抱擁されていた。
姿形がハッキリ見えるのに、感触は空気に包まれているみたいは、何とも言えない気持ちになった。
「ちょっ、本当にやめっ!
終わり‼もうこれ終わり‼終了!!!」
自分で、恥を覚悟で大声で終了宣言。
幽霊は同級生に見えるので、意識してしまうわけで。
少し熱を帯びている顔を冷やすべく、手で顔を覆う。
「あれ、照れてる⁉照れてんの!?」
悪戯っ子みたいな無邪気たらたらの顔で先程の逆さポーズで顔を覗いてくる幽霊。
「煩い」と一喝し、監視カメラをチラ見。
流石にここで独り言とかはヤバイ。人とか通ったら更にヤバイ。
謎の危機感に押しつぶされそうになりながら、鍵を使ってロック解除。
周囲を見渡して、くいくいと幽霊に手招き。
「えええ⁉いいのぉ!?」