「あのさぁ、そろそろ付け回すの止めてほしいんだけど。
それに部長がカツラだってこと、一々報告しないでいいから。あれほんとキツイから」
「えー、でもあれアウト並のヅラじゃん」
「もう分かってるから!皆知ってるから!!!」
何を必死に部長のカツラの話をきているのか、趣旨が本題と逸れているため、慌てて咳払いをして言い直す。
「ねぇ、どうして私を尾行すんの?
いや、もう話し掛けてるから尾行とは言えないけど…。
…、貴方、誰?」
「俺はゴキラ。数年前に死んだ幽霊」
ああ良かった。死んでいたことは自覚していたみたいだ。
否、それが発覚しても事態は変わらないわけだが。