梶がゆっくりとドアを閉じる。そして振り返ると、笑い出した。青山も笑う。
「ははっはははっ」
「はっはっはっ」
パァン!青山が梶の頭を思いきり叩いた。
「どんな火の付け方をしたらあんな風になるんだ!」
「はぁ!?お前が見た通り、油を壁にかけて…」
梶が急に黙る。そしてズボンのポケットから、油が入っていたボトルを取り出した。蓋を取り、臭いを嗅ぐ。
「間違えた…」
梶が小さい声で言う。
「何をだ」
「油だよ!燃えやすいのをもってきてしまった」
青山は呆れて、溜め息をついた。
「燃えやすいってどのくらいだ」
青山は尋ねる。
「そーだな…ホワイトハウスは余裕で全焼だな」
「分かりやすい例えだな」