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[連載小説]ヒット。(#43.3) |
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入江 |
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この犂をカンザキは見逃さなかった。直ぐさまマウントポジションをとり、顔面目掛けて大振りなパンチを放った。これがカンザキのミス。
大振りなパンチを見切ったフェアリーは、パンチをかわしエゼキエルチョークへと派生した。エゼキエルチョークは所謂絞め技で、相手をおとす__失神__ための技だ。完璧に極れば、ものの数秒でおとせる。
「う”ぅ”…」
カンザキが抵抗の意志をみせたが、極った技から抜けるのは難しく、直ぐおとせた。
「ふぅ…」
あまり見ていなかったが、よく見ると女性で、東洋風の美人だった。女は殺さない、とフェアリーは決めていたので用心のため、後ろ手に拘束することにした。拘束に用いるのは フレックスカフという樹脂製の手錠のようなものだ。拘束用のため、怪力をもつ男性でも引きちぎることは不可能だ。
「さて、あとはシライシとかいうやつの処理だな…」
囮に使ったシライシには、見せかけだけのブービートラップを仕掛けてイスに座らせておいたが、偽物なので危険性はない。が、どうするかが面倒だ。