「やっぱり、犯人は君だったんだね」
追い詰められたネズミは、YESとしか答えられない。
「ごめんね」
本音じゃない。
「どうして」
知らない。
「魔が差したんだ」
嘘だ。
「魔が・・・って。でも、あなたはそんな人じゃないわ」
違うよ。
「すまない」
「でも・・・。でもそしたら・・・!!」
「さようなら」
季節外れで狂い咲いた桜の花が、頬をくすぐった。
最期を飾るには、いい景色だ。
「またね」
これも、嘘だ。
「いやっ、待って・・・!!」
「さよなら」
これは・・・・。もうどっちは分からない。
ドサリ。