「じゃあ、そこで待ってて」
どこもかしこも白白白で統一された、何にもない部屋。ミニマリストっていうレベルじゃないくらい、何も物がない。
「・・・・いやこれ拉致じゃね!?」
縄解いてくれないんだけど!?
「助けるって言ってない。買うって言った」
「知らんし!」
「でもお前いいって」
「言ったけど言ってない!」
「どっちだよ」
不毛な会話の後、少年は台所から透明のコップを一つ、持ってきた。
「コレ、分かるか?」
「いやコップでしょ。見て分かるじゃない」
「じゃなくて、コップの、ココ」
そこには、小さい赤いシミが、渕に付いていた。
「赤い・・・何これ」
「よし、見えるな」
「・・・・?」
「次」
めちゃくちゃ厳つい刃物を、今度は持ってきた。
「・・・・包丁」
「うん。上出来」
「ねえコレ何のテスト?」
「なんのって・・・。お前分かってないのか?」
「知らないわよそんなの」
首をかしげると、少年はふうっとため息をついた。
「お前が、犯罪者だって証明するテスト」