CHIBI QUEST 3

小説#6
mikazu☆

11/24 15:12

「私のせいですが、脱線を戻すと、窃盗をしたのは妹さんのためなんですか?」

「んまあ」

「ずっとバイトして貯めたお金を、知人に奪われた…が動機。
だから筆箱一つという、こんな小さな罪を犯したのですね」

「…やっぱ変人だな」

「といいますと?」

「罪に大小を付けるからだよ。さっきだって理不尽っつってただろ。
何盗っても、窃盗の刑罰は皆同じだ」

「ほう…」

「ほんっと、理不尽。

…俺、なんのために死んだんだ」
胡座をかいて、上を見る。
変わらない真っ白な景色に苛立ってくる。
どうでもいいことはとことん見て見ぬふりをしてきた。
何かを得るなら、なんだってしてきた。

全て、大切なものを守るために。
「不平等が人々に平等に与えられています。
末期ですね!あなたも、あの世界も!」

「天使」

「はい?」

もういい。振り返るな。
罪を、不平等な罪を償って俺は俺を殺す。死ぬ。





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