「さっさと地獄へ落とせ」
「妹さんは??」
「どうせ、施設で楽しくやってんだろ。あのクソみてえな世界でな」
「ほんと、あなたは素晴らしいですね。欲にまみれて油のようです」
「そこまで褒めるってこたあ、期待してもいいってことだよなあ?」
「ええ、勿論!あなたは輪廻に乗るのです。罪を悔やむこともできずに、ね」
「……それが、俺の’’最期’’の徳ってか」
新しい命なんて、まっぴらだ。
でも、前世の俺の苦しみを、来世の俺に拓せるなら。
他力本願さ。
どうせ、来世でもカーストの底辺に成り下がるだろう。
これは予感じゃない。
今までの徳がついてくる保障だ。
障害になって、俺に纏わりつくんだ。
「よかったですねえ!あなたの慈悲が実を結びましたよ。
電車に轢かれたのは、ずーっと大事にしていた妹さんに突き落とされましたしねえ??」
END