はぁ、と溜息をついた上夢。
机の上が雪崩を起こしている心意のデクスは、見慣れた光景。
というか、ここに異動してきて１ヶ月であの惨事は、ある意味尊敬ものだ。
「掃除、後にして」
「なんで？」
「読みたい書類あるから手伝って」
「うぃ」
どこに収納しようか迷っていた紙束を投げ、資料室に消えていく上夢を追う。
「何するの？」
どんどん奥へ進んでいく上夢。
薄暗い倉庫は何かが出そう。
入る度思う。
「捜査班が追ってる事件の書類。
こっちの刑事課が担当していたらしいの」
「へー」
上夢はキョロキョロ目を泳がせながらも迷う素振りも見せず、ある棚の前で止まった。
「ここ？」
「ん」
いち、にい、さん…。
４番目の段ボールを引っ張り出し、中を開けた。

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