周囲を警戒。
神経を張り詰める。
鞘から抜かれた刀は、
頭上の陽を反射し、
一筋の光を映す。
「くっそ…」
蒼の連中か?
いや…ここの管轄は紅にある。
だとしたら。
嫌な予感が駆け巡ったその時、
横から太刀の軌道が流れる。
キンッ…!
間一髪で受け、
そのまま力で跳ね返す。
「っそ…」
明らかに敵軍がいる。
猿は脳内をフルに使って、
隊員に告げる。
「敵襲!各自臨時戦闘態勢!!
武器は使用良し!
敵数は目視し、戦闘許可とす!!」
『了解っ!』
返答と共に、ひっくり返った車の下から、みんなが出てくる。
そんな事故でやられる餓鬼共じゃねえ。
警鐘のような、
威嚇のような笑みを、猿は浮かべた。