「おりゃあああっ!!!」
「!」
む〜みん達が目を離した隙に、
場の空気は変化していた。
隊の長らしき人物が太刀を振り、
蒼の連中を蹴散らしていく。
怯んだ蒼だが、士気は十二分。
突進するも、太刀に斬られるばかりだ。
「ヤバくね」
ゴキラの声は真面目なトーンになった。
「降りるか?」
「……」
無言のむ〜みん。
眼下の隊員は死ぬ気で戦っている。
少し紅を見くびっていたのかもしれない。
「そうだな。一応本部に連絡を____」
刹那、
背後に殺気を感じる。
キィンッ…
む〜みんは腰に位置していた刃を、一瞬で抜いている。
その刃が受けているのは、小柄な少女の太刀だ。
「……貴様、紅か」
「うおっ、いつの間に」
あのゴキラさえ気付かなかった程の気配の隠蔽。
只者ではないと、本能が警鐘していた。