もういいか。
みるは自暴自棄になる精神を抑える。
下部で中佐たちが戦っているというのに。
「てやぁっ!!」
「らああっ!!」
2人の間に、火花が散る。
乱舞する姿は
戦いの女神、ワルキューレを連想させた。
互いの太刀が擦り合い
瞳で、互いの勇姿を認識しあった。
その時、
みるの頭上に影がよぎる。
「っ!?」
ガッ!と音がして、
2人の間に何かが刺さった。
「何、手裏剣…!?」
「チッ……」
む〜みんはその武器を目視して、
軽い舌打ちをした。
心当たりがある。
しかも、その心当たりは不快なものだ。
「…わさびのり…」
「やぁやぁお二人さん。
なになにぃ?戦い?戦闘中だった??」
背後の太陽により
逆光が発生している。
そんな陽を背にし、
こちらを見下げる輩は、
む〜みんにとって苦手な人物だった。