「む~みんー。苦戦してるね」
「誰がだ!!」
陽気な口調に、浮き切った態度。
こんなふわふわした人が苦手だ。
「手え貸してあげよっか?」
ニッとした顔で、
わさびのりはむ~みんを覗く。
「断る」
即答である。間違いない。
こんな奴に恩を借りるほど
む~みんは弱くない。
それはわさびのりも分かっている。
分かっているからこそ、
こういう言葉にキレるのだ。
「敵は可愛い子だね」
今度は紅に興味を寄せた。
わさびのりの独特な雰囲気に、
戦場は軽くカオスと化す。
「ま、ここで争っても無駄だし。
帰ろっか!む~みんちゃん」
「「はあ!?」」
紅と蒼。
早々ハモることなんて、
これが最初で最後にすぎない。