朝はいつもと同じだった。
もっと緊張して、夜は眠れないと不安だったのに、昨夜の記憶がない。ということは、ベットに入ってすぐ寝たということだ。
髪を梳かす。
いつもと変わらない。
朝食を食べる。
ほんと、何も変わってない。
変わってないけど、
それが「一番」。
ヘルメットを持って、
「いってきまーーす!」
少し早めの時間。
仕方ない。家にいてもソワソワするだけ。
なら、早くても目的地に着いておかなきゃ。
自転車はこの前修理したばかりで、色んなところを新品のパーツにしてくれた。
お陰で一漕ぎでどんどん進む。
丘を越えれば、見えて来る。
「○○高等学校 試験会場」