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参加型小説 #4 ヨウコ |
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しゅう |
3/10 23:41 |
さっき目の前にいた温厚そうな女性の影は跡形もなく、
黒く巨大な狐の姿と化した。
「サヨナラ」
黒い影は巨大な爪で俺の体を裂こうとしてきた。
とっさに落ちていた鉄パイプを拾い、体を防ごうとする。
たが、鉄パイプは火花を散らし、吹き飛ばされてしまった。
「無駄ナ抵抗ハ、ヤメタ方ガ 良イデスヨ」
「うっさいな…」
俺はまた近くにバラバラと落ちている鉄パイプを握る。
正直怖いし、さっさと逃げ出したい。
でも逃げてもすぐに追い付かれる。
そうなると…
「へー、ドウヤラ死ニタイヨウデスネ」
鉄パイプで思い切り殴りこんだ。
しかし効果はなかったようだ。
それどころか反撃され、肩に爪が少し食い込む。
「ーっ…!!」
「ドウシマシタカ?」
足が震え出してしまい、立っていることも儘ならない。
でも…生きたい…!
そう強く思い、俺は再び鉄パイプを握った。